アジア風邪によるパンデミック

インフルエンザ・パンデミックの対策マニュアル

 インフルエンザ・パンデミックが起こった場合、たとえ病院へ行ってもすぐに直してもらえるという事はありません。何故なら、そのような薬がないからです。むしろ、沢山の感染者が殺到し、被害が拡大する可能性が極めて高くなります。よって、インフルエンザ・パンデミックが起こった際には、パニックになって病院に向かうのではなく、慎重な行動が必要になります。その際、非常に役に立つとされているのが、インフルエンザ・パンデミックの対策マニュアルです。

 この対策マニュアルは、各地方自治体や企業が作成しています。そのマニュアルは、まだ完全に一律化されてはいないので、作成者によって内容もまちまちです。季節ごとのインフルエンザの延長と考えているところもあれば、戦争クラスの危機感を持って作成しているところもあります。

 マニュアルを作成する際に、それがどの程度の規模のインフルエンザなのかという事をしっかりとシミュレートしているマニュアルは、その対策もしっかりと整えています。特に、実際にパンデミックが起こった際、どのように行動すべきか、あるいは対策として予めどのような物を用意しておくべきかという事を事細かに説明してくれています。

 インフルエンザ・パンデミックの対策マニュアルは、まだまだ普及しているとは言い難い状況です。万が一パンデミックが発生した際に起きると想定されるパニックを最小限に留めるためにも、質の高いマニュアルの作成が要求されています。

 

アジア風邪によるパンデミック

 パンデミックは、アジアでも発生した事があります。近年では鳥インフルエンザが大流行したことが記憶に新しいのですが、これはまだ規模としてはパンデミックとまで言えるほどの規模にまでは発展していません。アジアにおけるパンデミックの代表例は、アジア風邪です。

 アジア風邪は1957年に香港で感染爆発し、日本、東南アジア全域、オーストラリア、そしてアメリカやヨーロッパにまで拡大したインフルエンザの一種です。その発症は中国の南西部といわれています。

 死亡者の数はスペイン風邪の1/10程度でしたが、抗生物質の普及している時代に入ってからのパンデミックとしては異例の多さでした。日本でも300万人が感染し、6000人近い死亡者を出しています。

 このアジア風邪のインフルエンザウイルスは、ヒトインフルエンザだけでなく鳥インフルエンザの遺伝子も持っており、鳥インフルエンザがいかに脅威であるかを表しています。

 こういった例があるように、パンデミックはいつ日本の近くで起こるかわかりません。あるいは、日本がパンデミックの発生源になる可能性も十分考えられます。インフルエンザによるパンデミックは特効薬がなく、既存のプレインフルエンザ薬も有効かどうか定かではないのです。

 アジア風邪規模のインフルエンザがもし日本で発生した場合、そしてそれが首都圏に流行した場合、とてつもない被害が予想されます。その為の対策は、常に頭の中に入れておく必要があるでしょう。事が起こってからでは遅いのです。